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お仕置き [リリカルなのはss 外伝]

中学卒業を間近に控えたある日、教導隊及び各執務官合同の大規模掃討作戦が突如中止になり放課後アリサの家に集まって卒業旅行の打ち合わせをすることになった。

私となのはは、なのはの家に寄って資料を持って向かう事になり制服姿のまま高町家にお邪魔した。

「ただいま~、あれ?お兄ちゃん急ぎの仕事でしばらくお留守だって言ってたんだけどもう帰って来てるのかな。」


玄関先には彼の靴があり、会えるかもと期待したが特に声がかかる事もなくなのはの『すぐ着替えて資料だけ持ってくるから、リビングで待ってもらっていい?』という申し出に従ってリビングに向かう。



「お邪魔してます」

リビングのドアを開けて、ソファーに黒髪の後ろ姿を見つけて少しうわずった声で挨拶をする。



いつもなら優しく返事をしてもらえる所なのに、今日はなぜか無反応。
機嫌でも悪いのかなとおそるおそる近づいて、そっと回り込んで目にした光景に驚きのあまり声を出しそうになって思わず口元を押さえる。

そこにはいつもなら決して見せない隙だらけと形容してもいいような状態で、瞳を閉じた彼がいた。
よほど疲れて熟睡しているのか、間近に近づいても起きる気配がない。
私はソファーの脇で膝を抱えて下からあの人の横顔を観察する。

長いまつげ、整った鼻筋、引き締まった口元。
意思の強さと無上の優しさを感じさせてくれる瞳は閉じられていても・・・

(・・・やっぱり、かっこいい)

穏やかに寝息を立てる彼の横顔をじっと見つめているとなんだか恥ずかしくなると同時に、なぜだか少し悔しい気持ちになる。

「ずるいですよ、恭也さん。
 私がこんなにドキドキしてるのに、あなたはそんなに落ち着いているなんて・・・」


前に彼が歌姫達にされて顔を真っ赤にして照れていたことを思い出し、私も実践してみることにした。

「だから、お仕置きしちゃいますね。」


 



「フェイトちゃん、何かあった?顔真っ赤だよ。」

お仕置きが終わって慌ててリビングを出た所で、二階から降りてきたなのはに声を掛けられて思わずどもってしまったのはまた別のお話。
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