ワンコと猫 [リリカルなのはss 外伝]
「アリサ~、また男振ったんだって~?」
「何よ、人聞きが悪い。ただ単に、断っただけじゃない。」
中学のランチタイム、食べ終わって教室ですずかと話をしていると突然クラスメイトから声を掛けられた。
ちなみになのは達は向こうの用事で今日は三人ともお休み。
彼女は私達が中学に入学してからの知り合い、三年まで腐れ縁で同じクラス。
サバサバした性格で私と気が合って友人を続けている。
そのつながりで、すずかやなのは達とも友人関係にあるが彼女達の特殊な事情は知らない。
「それを、世の中的には”振る”って言うんだけどね。
それにしてもこれでここ三ヶ月で3人目だっけ?流石は3大エースの面目躍如って感じっ!?」
ただ少しゴシップ好きなところがあって、ことあるごとに絡んでくるのは勘弁して欲しい所。
ちなみに3大エースとは告白してきた相手をことごとく振って(撃墜して)いる3人を揶揄したモノで、私、目の前のすずか、今日はお休みのフェイトの事である。
「でもさ~なんでまた断っちゃったの?相手、超エリート校の高校生だったんでしょ。
将来有望なのにさ~。」
「別に、エリートなんかに興味ないし。
上辺だけの男なんて惹かれないもの。」
そう、私が惹かれるのは身体的な強さだけじゃなく自らの信念を貫き通す心の強さを持ったあの人だけ。
「うわー、なんかかっこいいこと言ってる。
でもでも・・・ここまで断ってばっかりって事は、ずばり好きな男がいるんでしょっ。」
「!!! いっいないわよッ。そんな、男(ヒト)なんて!」
焦りながらも返す私に彼女は疑わしげな眼差しを向け、さらに追求を重ねようとしてハタと何かに気付いたようにおののいて私から距離を取る。
「ごめん、アリサ。
私、あんたのこと嫌いじゃないけどその想いは受け止められんわ。
好きになるならやっぱり私は男の方がいい。」
スパーン
突如として現れたミニハリセンを持った別の女生徒が彼女の頭を思いっ切り叩く。
乱入してきたのは2年まで同じクラスだったもう一人の中学からの友人。
「チッチッチッ、アリサはね大人の男にしか興味がないのよ。」
「痛~、何よそれ?」
新たにやって来たその子は自信ありげに断言する。
「私、見たのよ、見ちゃったのよ。
そう、それは爽やかに晴れ渡った先日の日曜日の午後・・・」
なぜかポエム調に語り出す彼女・・・正直、嫌な予感しかしない。
「海鳴の駅でモデル体型の年若い男性に笑顔全開で話し掛ける、金髪少女をッ!!」
「おぉ!!」
「(!!!)」
「その様子は大好きな飼い主にかまって欲しくて、周りをぐるんぐるん回るワンコの様!!
私にはブンブン振られる尻尾が見えたわ。」
「( ) 」
「普段のクールなアリサとあまりに違ったもんだから、思わず二度見しちゃったわよ。」
先日の日曜日といえば、偶然出かけた駅で久しぶりにあの人に会えて大はしゃぎをした覚えが確かにある。
そのことに思い至り、赤面していると前の席から小さな笑い声が聞こえてきた。
「何よ、すずか。笑うことないじゃない。」
「ごめんね、アリサちゃん。ただ、尻尾を振ってるアリサちゃんがあまりにもリアルに絵が浮かんじゃって・・・」
このまま私だけからかわれるのも癪に障るので、ちょっとした意趣返しを試みる。
「何よ、すずかだって猫が好きな人の足元に頭をこすり付けるみたいにべったりするくせに。」
「/// そ、そんなことないよ。」
「おっ?その話の流れだともしかして二人とも同じ相手を狙ってるとか?」
「へ~そうなんだ、って事は二人は親友であり恋敵(ライバル)でもあるって事なの?」
「「!!(///)」」
二人して真っ赤になりながら、なんとか追求を躱す。
正直恥ずかしい気持ちが半分、もう半分はあの人の事を知られてライバルを増やしたくなかったから。
「何よ、人聞きが悪い。ただ単に、断っただけじゃない。」
中学のランチタイム、食べ終わって教室ですずかと話をしていると突然クラスメイトから声を掛けられた。
ちなみになのは達は向こうの用事で今日は三人ともお休み。
彼女は私達が中学に入学してからの知り合い、三年まで腐れ縁で同じクラス。
サバサバした性格で私と気が合って友人を続けている。
そのつながりで、すずかやなのは達とも友人関係にあるが彼女達の特殊な事情は知らない。
「それを、世の中的には”振る”って言うんだけどね。
それにしてもこれでここ三ヶ月で3人目だっけ?流石は3大エースの面目躍如って感じっ!?」
ただ少しゴシップ好きなところがあって、ことあるごとに絡んでくるのは勘弁して欲しい所。
ちなみに3大エースとは告白してきた相手をことごとく振って(撃墜して)いる3人を揶揄したモノで、私、目の前のすずか、今日はお休みのフェイトの事である。
「でもさ~なんでまた断っちゃったの?相手、超エリート校の高校生だったんでしょ。
将来有望なのにさ~。」
「別に、エリートなんかに興味ないし。
上辺だけの男なんて惹かれないもの。」
そう、私が惹かれるのは身体的な強さだけじゃなく自らの信念を貫き通す心の強さを持ったあの人だけ。
「うわー、なんかかっこいいこと言ってる。
でもでも・・・ここまで断ってばっかりって事は、ずばり好きな男がいるんでしょっ。」
「!!! いっいないわよッ。そんな、男(ヒト)なんて!」
焦りながらも返す私に彼女は疑わしげな眼差しを向け、さらに追求を重ねようとしてハタと何かに気付いたようにおののいて私から距離を取る。
「ごめん、アリサ。
私、あんたのこと嫌いじゃないけどその想いは受け止められんわ。
好きになるならやっぱり私は男の方がいい。」
スパーン
突如として現れたミニハリセンを持った別の女生徒が彼女の頭を思いっ切り叩く。
乱入してきたのは2年まで同じクラスだったもう一人の中学からの友人。
「チッチッチッ、アリサはね大人の男にしか興味がないのよ。」
「痛~、何よそれ?」
新たにやって来たその子は自信ありげに断言する。
「私、見たのよ、見ちゃったのよ。
そう、それは爽やかに晴れ渡った先日の日曜日の午後・・・」
なぜかポエム調に語り出す彼女・・・正直、嫌な予感しかしない。
「海鳴の駅でモデル体型の年若い男性に笑顔全開で話し掛ける、金髪少女をッ!!」
「おぉ!!」
「(!!!)」
「その様子は大好きな飼い主にかまって欲しくて、周りをぐるんぐるん回るワンコの様!!
私にはブンブン振られる尻尾が見えたわ。」
「( ) 」
「普段のクールなアリサとあまりに違ったもんだから、思わず二度見しちゃったわよ。」
先日の日曜日といえば、偶然出かけた駅で久しぶりにあの人に会えて大はしゃぎをした覚えが確かにある。
そのことに思い至り、赤面していると前の席から小さな笑い声が聞こえてきた。
「何よ、すずか。笑うことないじゃない。」
「ごめんね、アリサちゃん。ただ、尻尾を振ってるアリサちゃんがあまりにもリアルに絵が浮かんじゃって・・・」
このまま私だけからかわれるのも癪に障るので、ちょっとした意趣返しを試みる。
「何よ、すずかだって猫が好きな人の足元に頭をこすり付けるみたいにべったりするくせに。」
「/// そ、そんなことないよ。」
「おっ?その話の流れだともしかして二人とも同じ相手を狙ってるとか?」
「へ~そうなんだ、って事は二人は親友であり恋敵(ライバル)でもあるって事なの?」
「「!!(///)」」
二人して真っ赤になりながら、なんとか追求を躱す。
正直恥ずかしい気持ちが半分、もう半分はあの人の事を知られてライバルを増やしたくなかったから。
2019-06-11 21:26