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57章 抹消4 [リリカルなのはss]

ヴィヴィオからの一報を受けて、私達は演習を中断し行動を開始する。

私、フェイトちゃん、はやてちゃんの隊長陣とシャマル先生にザフィーラはお兄ちゃんが緊急搬送された総合病院に向う。
ヴィータちゃん、シグナムさん、ティアナ、スバルの4人は108の隊員数名と共に襲撃現場に向ってもらった。
ギンガとチンク達はナカジマ三佐の指揮の元、緊急配備の応援に回ってもらう。

私達が病院に着くと既に緊急手術が始まっており、看護士さんの話によるとかなり危険な状態とのことだった。
シャマル先生が事情を説明し、手術に加わるためオペ室に入る。
それを見届けてから、私達は現場にいた当事者達から事情を聴くべくオペ室近くの待合室に向う。

部屋には憔悴しきった様子のクレアさんと、真っ赤に泣き腫らしたヴィヴィオ、そして必死に何かに耐えている雫ちゃんがいた。

「!! ごめんなさい、私が恭也さんを誘ったりしなければこんなことにはならなかったんです。」

私の姿を認めるなり、立ち上がって頭が足に付きそうな勢いで腰を曲げ泣きながら謝るクレアさん。

「頭を上げて下さい、クレアさん。
悪いのは犯人であって、あなたじゃないです。」

「で、でも・・・」
「大丈夫です、兄は頑丈ですから・・・このくらいのかすり傷なら明日には走りまわってますよ。」

できるだけ傷付けないように優しく諭し、病院の仮眠室を借りて少し休むように勧める。


ヴィヴィオにも一緒に休んでくるように云いつけ、二人が部屋を出たところで雫ちゃんから襲撃時の様子を詳しく聞いた。
その話で分かった事は一発目の弾丸は一般人であるクレアさんに向けて殺気を帯びた状態で飛来、それと時をほぼ同じくして全くの別方向から無気配の二発目がちょうどお兄ちゃんが守る為に飛び込んだ位置に着弾したという事。
その着弾後、殺気は消え犯人の足取りを追う事はできず遠方からの狙撃の為、特徴を捉える事も不可能だったという事実。


明らかにお兄ちゃんを狙い、その為に何の罪もない一般人を囮に使った逃走中の犯人に強い憤りを感じていると廊下の方が何やら騒がしくなる。

何事かと外に出てみれば、一人の女性の看護士さんと二人の管理局の制服を着た男が揉めていた。

「どうしたんですか?」

私が看護士さんに尋ねると、彼女はほっとした様子で事情を説明してくれた。
なんでも彼らが先の狙撃事件に関してお兄ちゃんに確認したい事があると言って、無理矢理オペ室に入ろうとしたらしい。

「どういう事ですか?
今、話を聞けるような状態でないことは誰の目にも明らかですよ。
あなた方の所属は?これ以上、無茶をするなら正式に抗議させてもらいますよ。」

こちらの抗議に対して、何やら言いかけた男にもう片方の人物が何やら耳打ちし二人揃ってその場を離れる。
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