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親の資格 [リリカルなのはss 外伝]

「ねえお兄ちゃん、私に親になる資格ってあるのかな?」

「どうした急に?」

久しぶりに連絡を入れてきたなのはが、唐突に俺に問う。
質問の要領を得ないので詳しく内容を聴いてみる。

それによると先日事件の際に保護した身寄りの無い女の子を自分の子供として引き取るかどうか、悩んでいるという事だった。

「なのははどうしたいんだ?」

「私としてはヴィヴィオも私を慕ってくれてるし引き取りたい気もするんだけど、親としてやっていく自信が無いんだ。それに、私は空を飛んでるからいつ墜ちるかどうか分からないし、そう考えると他の里親を探してあげた方がヴィヴィオにとって幸せなのかなって・・・」

「なのは、その子の幸せはその子自身が決めるものだ、周りが押し付けるものじゃない。親がしっかりしていなくても子供は育つ、だからそんなに心配しなくてもいい。少なくとも父さんは、男として剣士としては尊敬はしてるが親としては失格だったからな。」

「・・・・・・」

「なのは、今 幸せか?」

「どうしたの、突然?」

「なのは、お前が今こうして生きていられるのはなぜだと思う。それは、父さんが母さんを愛し選んだからだ、その二人の愛の証としてお前がこの世に生まれてきたんだ。父さんのボディガードの仕事は常に死と隣合わせ、いつ死んでもおかしくない、それでも父さんも母さんも二人で幸せになる事を望んだ。確かに父さんが亡くなった時、母さんは悲しい思いをしたが、それでも二人で過ごした時間と生まれてきた新しい命は確かに幸せなものだ。
いつ来るか分からない別れを心配するよりも、今という時を精一杯幸せに生きた方がいいと俺は思う。」

「私は今確かに幸せ、頼れる仲間に囲まれて過ごせてる・・・でも、私は一度墜ちてる。」

「なら、内勤にでも転属願いを出せばいい。」

「それはできないよ。私にとってヴィヴィオはもちろん大切だけど、私の力を必要としてくれている守りたい人達がたくさんいるもの。」

「我侭だな、妹よ。」

「む~真剣に悩んでるんです。」

「簡単なことさ、お前が墜ちなければいいだけの話だ。それで全て解決する。その子の為にも『必ず生きて帰る』それだけだ、『最後まであきらめない』がお前の信条だろそれを貫き通せばいい。
父さんも最期まであきらめてはいなかったさ。」

「・・・ありがとう、お兄ちゃん。なんとなく、答えが出せそう。」

「そうか、なんにせよ後悔の無い様にな。」





なのは、二度とお前を墜とさせたりしない、たとえ俺の命に代えても
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