2章 外伝 騎士と剣士の誇り [リリカルなのはss 外伝]
本局を所用で訪れたヴァイス曹長と、食堂でコーヒーを飲みながら皆で久しぶりの談話をする。
今ここにいるの特捜課メンバーはあたし、ティア、シグナムさん。
ヴァイス曹長も恭也さんと何度か仕事をしたことがあるようで、あの人の人外っぷりはよく知っているようだ。
「なのはさんやフェィトさんが"エース"で、お前達が"ストライカー"とするなら恭也の旦那はさしずめ『最強の手札』"ジョーカー"といったところか?」
「しかし手札の切り方を間違えれば、それは最強たりえない。下手をすれば自らがダメージを受ける。」
「恭也さんを最強の手札にするには、彼を使いこなす指揮官がいるということですか?」
「おそらくそれは誰にもできないだろう。彼はいうなれば野生の獣だ。誰にも手なずけることができない『孤高の虎』といったところか。」
「なんだか使えそうで使えないカードのような気がしますけど。」
「そうでもないさ、基本スペックが異様に高いからそれだけで相手にとっては充分に脅威だし味方にいてこれほど頼れる戦力はない。
逆に敵にまわった時はこれほど厄介な相手はいないぞ、一度戦場で刃を交えた事があるが二度と前に立ちたくないと思ったものだ。彼は自らの敵と認識したモノに対しては決して容赦しないからな。」
「えっシグナム姐さん、旦那と闘ったことあるんすか。」
「ああ一度だけな、なのはに蒐集をかけた際結界内にイレギュラーで残っていた彼とな。その時彼は魔法など一切使えなかったにも拘らず手負いだったとはいえヴィータと互角に渡り合い、最終的には私も為すすべなく吹き飛ばされたんだ、プログラム体である私がその時初めて"死"の恐怖というものを知った瞬間でもあったな。」
「ははは・・・なんだか誰がどうやっても勝てそうにないんですけど・・・。」
「そんなことないよ、スバル。」
「フェイトさん、それになのはさんも。」
「恭也さんは、クロスレンジに特化してるからね。ミドルレンジは飛針か鋼糸くらいしか攻撃手段がないし、ロングレンジに至っては皆無、だからロングレンジ、もしくはアウトレンジから攻撃をすればいいの。」
「でもフェイトさん、恭也さんの攻撃回避能力って生半可じゃないですよ。」
「そう、だから回避不能な攻撃をすればいいの。昔ね恭也さんに稽古をつけて貰ってた時聞いたんだ、なにをやっても勝てる気がしないんですけどって。そうしたら笑いながらねこう言ったの、
『遠くから周りの被害を無視して広域殲滅の魔法をぶち込めば終わるぞ、俺はフェイト達と違って空を飛べるわけでもなければ、シールドやバリアを張れるわけでもないからな。まあ、負けないようにするだけなら俺の接近を許さなければいいだけだ。基本俺は剣士だからな、『剣の届くところに近付いて斬る』が戦術なわけだから弾幕を張るなりして常に距離を取れば"負けはしない"だろ。』って。」
「シグナム姐さんの同類がいた・・・」
ヴァイス曹長が苦笑いしてる。
「確かにお兄ちゃんの言う通りなんだけどね、その状況に持っていくのがそもそも至難の業なんだよね。隠匿技術が高いから居場所を特定するのも一苦労だし、そもそも殲滅魔法使えるような空間が限られてくるからそこに誘い出す必要があるし、大規模魔法はどうしてもチャージに時間が掛かるからその間に接近されたり、逃げられたりするから。そうなると後は隙をついて一撃を入れるぐらいなんだけど。」
「確かに恭也に隙を見つけるのは至難の業だな。」
「その事に関して私となのはでコンビを組んで2対1で模擬戦してもらっている最中に言われたんだ。『隙が無いなら作ればいい』って、どうすればいいんですかって聞いたら、私達の攻撃を軽くいなしながら『言葉の通じる相手なら話術で気を逸らすのも一つだ』って教えてくれたの。」
カン カン ガン ドッ
私がクロスレンジで仕掛け、なのはがミドルレンジで援護射撃をかける。
「アクセルシュー・・・「なのは、スカートがめくれてるぞ。」タ」
「えっええ~ (ズビシッ) 痛っ~」
恭也さんの一言になのはは集中を乱し集めていた魔力を霧散させてしまう、動きが止まったところででこピンを貰う。
「なのは、大丈夫!?」
「う~お兄ちゃんの嘘吐き。」
「失礼なこれも勝負の駆け引きだ。ほら、続けるぞ。」
私が恭也さんとバルディッシュで鍔迫り合いをしていると、なのはが何か思いついたのかもじもじしながら叫ぶ。
「お兄ちゃん、大好きっ!!」
「・・・・・・」
「ああ、俺も好きだぞ なのは。」
「(////)」
照れた様子も無く真顔で返されて真っ赤になって固まるなのは。
突然のなのはの告白に動きが止まってしまった私と一緒に撃墜された。
恭也さんの方が一枚も二枚も上手だった。
「なんか、えげつないっすね旦那。」
「そうでもないだろう、戦いにおいてブラフは有効な戦術の一つだ。」
「へえ~意外すっね、シグナム姐さんなら『騎士の誇り』とやらでそういったのは好まないかと思ったんですが。」
「うむ もちろん私には『騎士』としての『誇り』があり、不意打ちではなく正面から打ち勝つことを好しとしているのは事実だ。しかし、恭也の『誇り』は『大切なモノを守り通す』という一点に集約されているからな、そのためなら彼は手段を選ばないだろうし、自分を犠牲にする事もいとわないだろう。要は『誇り』の在りどころの違いであって、それに好むと好まざるとは関係ないな、彼も己の誇りに命を懸ける立派な『騎士』だからな。」
今ここにいるの特捜課メンバーはあたし、ティア、シグナムさん。
ヴァイス曹長も恭也さんと何度か仕事をしたことがあるようで、あの人の人外っぷりはよく知っているようだ。
「なのはさんやフェィトさんが"エース"で、お前達が"ストライカー"とするなら恭也の旦那はさしずめ『最強の手札』"ジョーカー"といったところか?」
「しかし手札の切り方を間違えれば、それは最強たりえない。下手をすれば自らがダメージを受ける。」
「恭也さんを最強の手札にするには、彼を使いこなす指揮官がいるということですか?」
「おそらくそれは誰にもできないだろう。彼はいうなれば野生の獣だ。誰にも手なずけることができない『孤高の虎』といったところか。」
「なんだか使えそうで使えないカードのような気がしますけど。」
「そうでもないさ、基本スペックが異様に高いからそれだけで相手にとっては充分に脅威だし味方にいてこれほど頼れる戦力はない。
逆に敵にまわった時はこれほど厄介な相手はいないぞ、一度戦場で刃を交えた事があるが二度と前に立ちたくないと思ったものだ。彼は自らの敵と認識したモノに対しては決して容赦しないからな。」
「えっシグナム姐さん、旦那と闘ったことあるんすか。」
「ああ一度だけな、なのはに蒐集をかけた際結界内にイレギュラーで残っていた彼とな。その時彼は魔法など一切使えなかったにも拘らず手負いだったとはいえヴィータと互角に渡り合い、最終的には私も為すすべなく吹き飛ばされたんだ、プログラム体である私がその時初めて"死"の恐怖というものを知った瞬間でもあったな。」
「ははは・・・なんだか誰がどうやっても勝てそうにないんですけど・・・。」
「そんなことないよ、スバル。」
「フェイトさん、それになのはさんも。」
「恭也さんは、クロスレンジに特化してるからね。ミドルレンジは飛針か鋼糸くらいしか攻撃手段がないし、ロングレンジに至っては皆無、だからロングレンジ、もしくはアウトレンジから攻撃をすればいいの。」
「でもフェイトさん、恭也さんの攻撃回避能力って生半可じゃないですよ。」
「そう、だから回避不能な攻撃をすればいいの。昔ね恭也さんに稽古をつけて貰ってた時聞いたんだ、なにをやっても勝てる気がしないんですけどって。そうしたら笑いながらねこう言ったの、
『遠くから周りの被害を無視して広域殲滅の魔法をぶち込めば終わるぞ、俺はフェイト達と違って空を飛べるわけでもなければ、シールドやバリアを張れるわけでもないからな。まあ、負けないようにするだけなら俺の接近を許さなければいいだけだ。基本俺は剣士だからな、『剣の届くところに近付いて斬る』が戦術なわけだから弾幕を張るなりして常に距離を取れば"負けはしない"だろ。』って。」
「シグナム姐さんの同類がいた・・・」
ヴァイス曹長が苦笑いしてる。
「確かにお兄ちゃんの言う通りなんだけどね、その状況に持っていくのがそもそも至難の業なんだよね。隠匿技術が高いから居場所を特定するのも一苦労だし、そもそも殲滅魔法使えるような空間が限られてくるからそこに誘い出す必要があるし、大規模魔法はどうしてもチャージに時間が掛かるからその間に接近されたり、逃げられたりするから。そうなると後は隙をついて一撃を入れるぐらいなんだけど。」
「確かに恭也に隙を見つけるのは至難の業だな。」
「その事に関して私となのはでコンビを組んで2対1で模擬戦してもらっている最中に言われたんだ。『隙が無いなら作ればいい』って、どうすればいいんですかって聞いたら、私達の攻撃を軽くいなしながら『言葉の通じる相手なら話術で気を逸らすのも一つだ』って教えてくれたの。」
カン カン ガン ドッ
私がクロスレンジで仕掛け、なのはがミドルレンジで援護射撃をかける。
「アクセルシュー・・・「なのは、スカートがめくれてるぞ。」タ」
「えっええ~ (ズビシッ) 痛っ~」
恭也さんの一言になのはは集中を乱し集めていた魔力を霧散させてしまう、動きが止まったところででこピンを貰う。
「なのは、大丈夫!?」
「う~お兄ちゃんの嘘吐き。」
「失礼なこれも勝負の駆け引きだ。ほら、続けるぞ。」
私が恭也さんとバルディッシュで鍔迫り合いをしていると、なのはが何か思いついたのかもじもじしながら叫ぶ。
「お兄ちゃん、大好きっ!!」
「・・・・・・」
「ああ、俺も好きだぞ なのは。」
「(////)」
照れた様子も無く真顔で返されて真っ赤になって固まるなのは。
突然のなのはの告白に動きが止まってしまった私と一緒に撃墜された。
恭也さんの方が一枚も二枚も上手だった。
「なんか、えげつないっすね旦那。」
「そうでもないだろう、戦いにおいてブラフは有効な戦術の一つだ。」
「へえ~意外すっね、シグナム姐さんなら『騎士の誇り』とやらでそういったのは好まないかと思ったんですが。」
「うむ もちろん私には『騎士』としての『誇り』があり、不意打ちではなく正面から打ち勝つことを好しとしているのは事実だ。しかし、恭也の『誇り』は『大切なモノを守り通す』という一点に集約されているからな、そのためなら彼は手段を選ばないだろうし、自分を犠牲にする事もいとわないだろう。要は『誇り』の在りどころの違いであって、それに好むと好まざるとは関係ないな、彼も己の誇りに命を懸ける立派な『騎士』だからな。」
2009-07-24 11:53