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2章 外伝 恋せよ乙女 [リリカルなのはss 外伝]

今は家族揃って朝食中。
ご飯と味噌汁におかずの和食だ。ナカジマ家に引き取られてから、家族で食卓を囲む楽しさを知った。

「そういえばギン姉、今日も恭也のところ行くのかよ?」

ノーヴェが卵焼きを頬張りながら尋ねる。
恭也がそのまま108隊にしばらくいる事になり、今は隊員用の単身宿舎に引越して来ていた。
事件が解決してここ4日ほどギン姉は毎日、恭也の部屋に夕食を作りに行っていた。

「ええ、そのつもりよ。恭也さん、疲れてるみたいだし雫ちゃんにもしっかり栄養取れる物食べさせてあげたいしね。」

「別に毎日行く必要なんてねえんじゃないのか、あいつだって自炊ぐらいできるだろ。そこまで甲斐甲斐しく世話焼かなくたってよ。」

「え~と そういうのなんて言ったスか・・・ "幼妻"?」

ブゥー

あ、お父さんが味噌汁噴きだした。
ノーヴェが汚いって怒ってる。

「ウェンディ、それを言うなら"通い妻"だ。」

チンク姉がウェンディの間違いを正す、さすが博識だ。
ギン姉は真っ赤になって固まっている。





「と、とにかく、今日も遅くなるから先に食べておいて。」

ウェンディとチンクの爆弾発言から何とか復活した私は、ごまかしながら食器を下げる。
それにしてもあの子達"あんな"知識どこで覚えたんだろう、昼ドラかしら。





-勤務終了後-
「こんばんは、恭也さん、雫ちゃん」

「いらっしゃい、ギンガ。」
「こんばんは、ギンガさん。」

恭也さん達の宿舎は単身用なのでキッチンとリビング一室と、寝室だけの簡素なものだ。
今日も家から持ってきた食材を出し、早速調理にかかる。

雫ちゃんが汁物の準備を手伝ってくれる。恭也さんはリビングでテーブルの用意をしていた。
なんだかいいな、こうしていると昔母さんのお手伝いをして台所に立っていた頃を思い出す。

今日のメニューは、炊き立ての白いご飯、大根とわかめの味噌汁、焼き魚とほうれん草のお浸し。あと何品かの付け合わせ。和贔屓の恭也さんにあわせて和食にした。

せっかくだからということでご相伴に預かる。

「うむ、うまいな。」
「すごくおいしいです。ありがとうございます、ギンガさん。」

「いえいえ、どういたしまして。」

「これだけ、料理がうまければいい奥さんになれるんじゃないか?」

「(////)」

朝方、妹達に言われていたことを思い出して思わず真っ赤になる。

「お父様、その言い方は失礼ですよ。」

「ふむ、そうだな。ギンガは料理がうまいだけではなく、器量も心根も申し分ないものな。」





いま、私はナカジマ家に帰る途中だ。とはいっても隊員宿舎から歩いて5分程のところだが。
そして私の隣には恭也さんがいる。『夜道の女性の一人歩きは危険だから送っていこう』とついて来てくれたのだ。
最初、すぐ近くだしわざわざ悪いので断ると『ギンガはもう少し自分の魅力を理解した方がいいぞ、男からみて充分魅力的なんだからな』と諭してくれた。『それに君にもしもの事があったら、ゲンヤさん、クイントさん、スバル、フェィト達に申し訳が立たないからな、下手すりゃ殺される。』とおどけられた。


「毎日、すまないな。家の方はいいのか?ゲンヤさんほかりっ放しで・・・それに、ウェンディ達も。」

「大丈夫ですよ、あの子達も家事できるようになりましたし、父さんも一人は慣れてますから。それとも、迷惑でした?お伺いするの・・・」

これで迷惑だって言われたらショックだな。

「そんな事は無いさ、俺も雫も助かってるし何より皆で食卓を囲むのは楽しいからな。ただ、ギンガにお世話になりっ放しで申し訳ないなと。」

「そんな、気にしないで下さい。私が好きでやってるだけですし、恭也さんには何かとお世話になってますので。」

「いや、しかしな・・・」

「う~ん じゃあ次の非番の日、買い物に付き合ってもらえませんか。」

「それぐらいでいいなら、喜んで付き合うぞ。荷物持ちぐらいはできるからな。」

「はい、お願いしますね。楽しみにしています。」

そんな話をしていたら、もう家の前に着いていた。
別れが名残惜しいような気もするが明日にはまた会えるし、デ、デート(///)の約束もできたから笑顔でお別れしよう。

「お休み、ギンガ。ゲンヤさんと皆に宜しく。」

「はい、お休みなさい恭也さん。」

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