慈悲 [リリカルなのはss 外伝]
その日私は息抜きがてら久しぶりに外出を楽しんでいた。
勿論、半歩後ろには護衛のシャッハが付いてきてくれている。
共同墓地に差し掛かったところそこに一人の人影を見つけた。
全身黒尽くめの男性だった。それだけならなんら不思議な光景ではないのだが、彼の纏う雰囲気が希薄でまるで幽鬼を見ているようだった。
「どうかされましたか?カリム。」
「ええ、あちらの男性どうされたのかと思って。」
シャッハに示した先は管理局の区画で、事件事故で亡くなった無縁仏を埋葬している。主に犯罪者達である。
どうやら、献花と黙祷が終わったらしくその場を離れるようだ。
「私に何か御用でしたか?シスター方。」
「いえ、失礼致しました。なにやら熱心に御参りされていたようなので、失礼ですがあちらには縁者の方が埋葬されていらっしゃるのですか?」
どうやらこちらの視線に気付かれていたようでバツが悪い思いをしながら適当な質問をした私に対し、彼はゆっくり頭を振り答えた。
「私が救えなかった-いや殺した子供達の墓です。」
シャッハがさりげなく私の半歩前に出る。
「それは、どういう意味なんでしょうか?」
「言葉通りの意味ですよ、騎士カリム。私はあの子達の未来を永劫に奪った罪人です。」
「何か事情がおありになったのでしょう。そのようにご自身を貶めれますな。それに罪を認められる方なら償う事も出来る筈です。」
「ありがとうございます。私のような者にまで御慈悲を賜り感謝致します。
ですが私の罪は償いきれるものではありませんし、いましばらく罪を重ねる事になりましょう。
出来れば、あそこに眠る子供達とその兄妹たちの安寧を祈っていただけませんでしょうか。」
「・・・あなたに神の慈悲は不要だと。」
「修羅に堕ちた私にその資格はありません。」
それだけ言って、彼は去っていく。
-数日後時空管理局本局廊下-
「姉君が心配なのは分かりますが、興味本位で視られるのはやめられた方がよろしいかと。アコース査察官。
出身世界に同様のことができる人達がいましたから、対応できるんですよ。それと私のモノに関しては視た者を容易に壊しますので、廃人になりたくないのであれば無理はされない事です。」
勿論、半歩後ろには護衛のシャッハが付いてきてくれている。
共同墓地に差し掛かったところそこに一人の人影を見つけた。
全身黒尽くめの男性だった。それだけならなんら不思議な光景ではないのだが、彼の纏う雰囲気が希薄でまるで幽鬼を見ているようだった。
「どうかされましたか?カリム。」
「ええ、あちらの男性どうされたのかと思って。」
シャッハに示した先は管理局の区画で、事件事故で亡くなった無縁仏を埋葬している。主に犯罪者達である。
どうやら、献花と黙祷が終わったらしくその場を離れるようだ。
「私に何か御用でしたか?シスター方。」
「いえ、失礼致しました。なにやら熱心に御参りされていたようなので、失礼ですがあちらには縁者の方が埋葬されていらっしゃるのですか?」
どうやらこちらの視線に気付かれていたようでバツが悪い思いをしながら適当な質問をした私に対し、彼はゆっくり頭を振り答えた。
「私が救えなかった-いや殺した子供達の墓です。」
シャッハがさりげなく私の半歩前に出る。
「それは、どういう意味なんでしょうか?」
「言葉通りの意味ですよ、騎士カリム。私はあの子達の未来を永劫に奪った罪人です。」
「何か事情がおありになったのでしょう。そのようにご自身を貶めれますな。それに罪を認められる方なら償う事も出来る筈です。」
「ありがとうございます。私のような者にまで御慈悲を賜り感謝致します。
ですが私の罪は償いきれるものではありませんし、いましばらく罪を重ねる事になりましょう。
出来れば、あそこに眠る子供達とその兄妹たちの安寧を祈っていただけませんでしょうか。」
「・・・あなたに神の慈悲は不要だと。」
「修羅に堕ちた私にその資格はありません。」
それだけ言って、彼は去っていく。
-数日後時空管理局本局廊下-
「姉君が心配なのは分かりますが、興味本位で視られるのはやめられた方がよろしいかと。アコース査察官。
出身世界に同様のことができる人達がいましたから、対応できるんですよ。それと私のモノに関しては視た者を容易に壊しますので、廃人になりたくないのであれば無理はされない事です。」
2009-07-08 10:20