SSブログ

ティアナ [リリカルなのはss]

あたしは戦闘が始まってすぐ、なのはさんの指示通り男の横を駆け抜け被害者の下へ向かった。
目的地までたどりついて、後ろを振り返ればスバルが投げられた後だった。
援護射撃をしようかと思ったが、なのはさんの援護が間に合ったのであちらは二人に任せ被害者を安全圏に連れ出すことを優先した。

女性を肩に担ぎ上げたところで、男を見失った。
男を確認した時には、スバルが膝から崩れ落ちていくところだった。幸い、致命傷は負ってないようでありそれだけが救いであった。
あたしは、なのはさんの援護と戦闘の邪魔にならないように足早に安全圏に退避する。

安全圏と思われる場所まで退避して、そこで見た光景は信じられないものだった。
いくらリミッター制限を掛けられているとはいえあの『エースオブエース』が一方的に攻撃されているなど・・・。

呆然とその戦いを見ていると、ふと視線を感じその元を追うと男となのはさんのものだった。

次の瞬間、再度男の姿が掻き消えたことに気付いたあたしはなのはさんに警告を飛ばす。

「なのはさんっ!!」

既に遅かった。
男はなのはさんの後ろにまわり抱きすくめるようにして、耳元で何か囁いている。

見ようによっては恋人達の愛の囁きにも見えなくもないかもしれない、首筋に刃物が突きつけられていなければだが。

首筋に手刀が当てられ、なのはさんの意識が落ちる。
ぐったりとした彼女を男は大事そうに抱え、地上に階段を下りるように下りてくる。

攻撃しようにも、なのはさんが人質にとられているような状態でクロスミラージュを構え牽制することしかできない。

そんなこちらを見透かすように、男はなのはさんをビルの壁にもたれかかれさせるように置くとこちらを見向きもせず反対方向に走って逃げていった。

被害女性を置いて追撃をかけるわけにもいかず、悔しさに唇を噛みながら捜査本部に被害者の確保と容疑者の逃走の連絡を入れる。

本部への連絡が終わる頃、スバルとなのはさんが目を覚ます。
私達より前に来ていた、他部署の武装隊員は思った以上にダメージが大きかったのかいまだに気絶したままだった。

あとから応援に来た管理局員に彼らと現場の後処理を任せ、保護した被害女性を本局のメディカルルームに運んだ。

通常であればメディカルチェックを医務官に依頼し後は今回の件の捜査担当部署たる特務機動隊に引継ぎをすれば済むことなのだが、なのはさんは思うところがあったらしくメディカルチェックをシャマル先生に依頼しスバルとあたしにそれぞれ指示を出して特捜課のオフィスに戻っていった。

そういえば、現場で最初に交戦していた武装隊員の部隊章も特務機動隊だった気がする。
発端襲撃 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。