SSブログ

57章 抹消6 [リリカルなのはss]

三佐によれば緊急配備を敷いた各地の検問所の内、数ヶ所で所属不明の装甲車がこちらの制止を無視してゲートを破り市街に進行をしているとのことだった。
進行予測ルートを解析したところ全てが病院に向っており、何らかの統一の意思を持って組織行動を起こしている事は明白。

こちらもその動きを阻止するために、行動を開始するも相手方はアサルトライフルをはじめとした質量兵器と非殺傷設定を外した魔法攻撃で反撃をしてきた。
その攻勢により既に数人の負傷者が出ており、部隊を編成し直して病院に通じるルートを固めた今も予断を許さない状態にあるという。


その連絡を受け、はやてちゃんがメンバーに素早く新たな命令を下す。

「特捜課各員は速やかに108部隊と合流し、現場指揮官の指示に従い敵勢部隊の排除に当たれ。
フェイトちゃん、私達も出るで。」

「了解、なのは私も出るね。
すぐに片付けて戻ってくるから心配しないで。」

「ザフィーラ、シャマルやみんなを頼んだで。」

「承知」



二人が飛び出して行った後、待合室に青い顔をしたクレアさんが入って来た。
どうやら今までの会話を聞かれてしまったようだ。

「あ、あの・・・なのはさん。」

「どうしました?クレアさん」

「わ、私も戦います。」

買ってきたばかりのフライパンの柄を両手に持った彼女の表情は強張り、膝はカタカタと小さく震えていた。
無理もない、今まで暴力なんて無縁の世界で生きてきた人だ。
そんな人が命を落とす可能性のある戦いに恐怖しないわけがない。

「クレアさん、無理はしなくてもいいんですよ。
みんなが必ず守ってくれます。それに、あなたの持っている道具は人を傷付けるためのものじゃなく、その料理で人を笑顔にさせるものですよ。
兄が目覚めたら、またオムレツを作って頂けますか?きっと、兄もその方が喜びます。」


「雫ちゃん、クレアさん達を守ってあげてね。」
「はい、お父様に代わって必ず守り通します。なのはさんもお気を付けて・・・」

雫ちゃんに見送られながら私も出撃するべく屋上に向う。
57章 抹消557章 抹消7 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。