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エピローグ [リリカルなのはss]

事件発生から2ヵ月後-

-クラナガンのとあるマンションの一室-

今、久しぶりに家族三人揃って晩餐を囲んでいる。

「恭也さんの、調子どうだった?」

「う~ん、順調みたいだよ。この調子で行けば、後1ヶ月もしないうちに普通に歩けるようになるって。」

「そう、よかったじゃない。」

「シャマル先生も驚いてたけどね、ホントお兄ちゃん相変わらず人間やめてるよ。」
おどけるように付け足す。



「でも、リハビリが終わっても裁判が本格的に始まるんだよね。」


そうなのである、いくら悪事を暴くためとはいえ彼は嘱託魔導師の資格もなく民間研究所に忍び込み『仕事』をしていたし、逃走中には管理局員に対し暴力を振るい抵抗し、極めつけは本局に殴りこみをかけているのである。

これが、罪に問われないわけがない。


「そうだね、本当は私が弁護につければよかったんだけど・・・」

「仕方ないよ、事件当事者が付くと陪審員の心象が悪くなる可能性もあるし。ソニア提督たちも動いてくれてるからきっと大丈夫だよ。」


暗い話はこれでおしまいとばかりに断言口調で締め、隣で苦手なピーマンと格闘する愛娘を優しく見つめる。



「フェィトちゃん。やっぱり、ヴィヴィオには父親がいたほうがいいかな?」

「なのは、どうしたの突然?」

「あのね、今日たまたま病室でお兄ちゃんのお見舞いに来ていたお母さんと会ったの。そこで、お母さんに言われたんだけど

『恭也もなのはも片親なのよね、別に片親が悪いとは言わないけど・・・やっぱり子供には『父親』と『母親』がいたほうがいいと思うの。それぞれにしか与えてあげられない、大切な『何か』があると思うから・・・。』

って言われて、そうかもしれないねって答えたら
 
『だから二人とも、早く"いいひと"見つけて結婚なさい(ハート)。』

って言われちゃったの。」

「あはは・・・、相変わらずね桃子さん。」



クイクイッ

服の裾を引かれて再度隣に視線をやると、ヴィヴィオが嬉しそうに言う。

「あのね、あのね、なのはママと恭也おにいちゃんが結婚すればいいんだよ。」

「ヴィヴィオ、なに言ってるの!?」

「だって~、そうすればなのはママが雫おねえちゃんのママにもなるし。恭也おにいちゃんが、ヴィヴィオのパパになってくれるんでしょ。」

「そ、それは確かにその通りなんだけど・・・そうしたいような気もするし・・・///」

お兄ちゃんとの、結婚生活・・・想像してたら真っ赤になってしまった。



いまだ妄想中で軟体動物のように身をくねらせる私に苦笑を浮かべながら、フェイトちゃんが諭す。
「ヴィヴィオ、残念だけどなのはママは恭也さんとは結婚できないのよ。」

「なんで~?」

「兄妹だからね。」

『う~ん』と考え込んだ後、にぱッと笑って本日二度目の爆弾発言をする。

「だったら、フェイトママが恭也おにいちゃんと結婚すればいいんだねッ」

これが正解とばかりに、にこにこしている。



その時、もう一人当事者は、

「えっ、そんないきなり。まずは、お友達から・・・それに一緒に住むとなるとここだと狭いから部屋も探さないといけないし・・・お母さんにも報告しないと・・・。」

絶賛パニック中だった。
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