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生きる意志4 [リリカルなのはss 外伝]

-ある休日-
クラナガン郊外の森林公園、一組の父娘が朝の散歩をしていた。


バシッ

娘に向けて、どこからかショック性の魔法が放たれる



「これが、君の答えか?」
魔法が到達する前に娘の腕を引き自分の後ろに隠し、木陰から出てきた少女に問いかける。

「ええ、そうよ。姉さんの体を手に入れて私は自由になる。」

「・・・脳移植か。」

「ご名答。」



「・・・それしかなかったのか。」

「ええ、それしかなかったの。だから『姉さん』,私の為に死んで」



その答えを聞いて父は、小太刀を抜く
「その願い、聞き届けるわけにはいかない。止めさせてもらう。」

「いいわ、できるものならやってみなさい。」

宣言と同時に大振りのコンバットナイフで突きこんでくる。
しかし、いくら気殺に優れた個体であり戦闘知識を持っていようと所詮子供の体格であり、奇襲でもなく正面から戦って戦闘のプロに勝てるわけがなかった。

数度の打合いで、ナイフがはじき飛ばされる。


「勝負は着いた、もう引くんだレイ。」
小太刀を胸に突き付け、引くように諭す。

「ホント、甘いのねアンタ。」
そのまま突っ込んでくる、

ザシュッ
レイの心臓を恭也の小太刀が貫いた。


小太刀を引き抜くとそこから大量の血が噴出す、明らかに致命傷だった。
崩れ落ちるレイを、恭也は抱きとめる。

「何で、首を撥ねなかったの?
自爆したらどうするつもりだったの?」

「生きていたいと思っている君が、自殺するとは思わなかったからな。」

「だから、甘いのよ。でも、あなたのそんな甘さも嫌いじゃなかったわよ。」

「・・・」

「これが、人のぬくもりなのね・・・はじめて知ったわ。
今まで、生きていてよかった。
最期にお願い聞いてもらえる?」

「何だ?」

「姉さんと話をさせて。」

「ああ。」

少し離れたところで様子を見ていた娘を呼ぶ。


レイはその瞳に、姉の姿を映すと弱弱しくつぶやく
「姉さん、私の分も幸せになってね・・・」

無言で頷く姉の姿を確認した後、ゆっくりとまぶたを下ろし息を引き取る。
その顔はどこか満ち足りた表情をしていた。

レイのポケットには、スカリエッティ一味の潜伏場所、未確認だったプロジェクトの研究所の所在、そして爆弾移植の手術ミスで彼女の体が後1ヵ月も持たなかったこと、そのためNoを与えられることなく廃棄されたことが記されたメモがあった。


後日 恭也はレイを自分の娘とした上で埋葬した。
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