生きる意志2 [リリカルなのはss 外伝]
幻影魔法の類だろうか、光学的に女の姿を確認することができなくなった。
後ろで、アリサも驚いているようだ。
只、俺にとっては”それだけ”のことだ。
《ブンッ》
何も”ない”空間に蹴りを放つ。
何かが、廃ビルの床に吹き飛ばされる。
「気配が全く消せていない、それで隠れたつもりだったのか?」
わき腹を押さえて苦しそうに呻きながら、立ち上がる女に呆れたような視線を送ってやる。
「先日妹が世話になった分、腕のもう一本くらい落したいところだが彼女には刺激が強すぎるからな・・・これくらいですんだだけありがたいと思え」
「甘いのね、あなた」
「「!!!」」
女の胸に後ろからナイフが生える。
後ろには先ほどまではいなかったはずの人物がいた。
年の頃は10歳前後、容姿は雫にそっくりだった。
「君は誰だ?」
たった今、串刺しにした少女に問いかける。
「わたし?私はレイ。Zシリーズの一体よ。シリアルNoはないけどね」
「・・・プロジェクトの子供か」
彼女は雫と同じ、人工生命体の一体だと言った。
だがそうするとNoがないことと、固有の名前を自ら名乗っていることが疑問に残る。
通常あの子達は、完成した後必要最低限の知識を与えられ戦闘訓練に入る。
『名前』で識別されることはありえない。
なぜなら彼らは、『モノ』なのだから。
「私も殺す? 姉さん達みたいに。」
少女の言っている意味が分からず、呆然としているアリサ
「・・・君はまだ自我を持だっているのか?」
導き出されたひとつの答え。
「ええ、自分の意思で生きているわよ。持病もしっかり持ったままだけど。」
「だから、拘置所を襲撃しこの研究の第一人者であるスカリエッティを連れ出したと。」
「ええ、その通り。
後の二人は彼のお手伝い役でね・・・、もっとも一人は役立たずだったみたいだけど。」
呆れるように、只の塊になったものを眺める。
「彼が私の病気を治せるかどうかはまだ分からない。
たとえ、1%に満たない可能性だってそこに希望があるなら私はそれにかける。
だって私は、監視者に怯えることなく自由に生きたいんだもの。
決して最期まであきらめたりしない。」
「・・・・・・」
「だって私は、監視者に怯えることなく自由に生きたいんだもの。
文字通り爆弾抱えて生きていくなんてごめんよ。」
「ふっ」
「なにがおかしいの?」
突然、恭也が微笑を浮かべたことをレイはいぶかしむ。
「強いな君は、俺と違って『あきらめる』ということを知らない。
いや違うなあいつと一緒で『最期まであきらめるということを『しない』だな。」
そこまで言って、小太刀を鞘に納める。
「殺さないの?」
「ああ、危害を加えられたわけでもないし。生きていたいと願っているだけの君を殺すつもりはない。」
「甘いのね。そんなんじゃ、いつか死ぬわよ。」
「ご忠告ありがとう。甘さゆえに自分が死ぬのは自業自得だと思ってるよ。」
「但し」
恭也の身にまとう雰囲気が一変する
「俺の大切な人達を傷つけるなら、その時はたとえ誰であろうと容赦はしない。」
宣言と共に開放された殺気は、それだけで人を殺せそうなものだった。
事実、レイも微動だにできない。
そのまま、恭也はきびすを返しいまだ放心状態のアリサを抱えあげて去っていく。
その場に残されたのは、物言わぬ女。
脱獄者の一人『クアットロ』
彼女は自身の復讐のために単独でアリサを拉致監禁をしていたが、彼女の行動からスカリエッティの所在がバレ、自身の悲願達成の障害になると判断したレイによって破壊された。
後ろで、アリサも驚いているようだ。
只、俺にとっては”それだけ”のことだ。
《ブンッ》
何も”ない”空間に蹴りを放つ。
何かが、廃ビルの床に吹き飛ばされる。
「気配が全く消せていない、それで隠れたつもりだったのか?」
わき腹を押さえて苦しそうに呻きながら、立ち上がる女に呆れたような視線を送ってやる。
「先日妹が世話になった分、腕のもう一本くらい落したいところだが彼女には刺激が強すぎるからな・・・これくらいですんだだけありがたいと思え」
「甘いのね、あなた」
「「!!!」」
女の胸に後ろからナイフが生える。
後ろには先ほどまではいなかったはずの人物がいた。
年の頃は10歳前後、容姿は雫にそっくりだった。
「君は誰だ?」
たった今、串刺しにした少女に問いかける。
「わたし?私はレイ。Zシリーズの一体よ。シリアルNoはないけどね」
「・・・プロジェクトの子供か」
彼女は雫と同じ、人工生命体の一体だと言った。
だがそうするとNoがないことと、固有の名前を自ら名乗っていることが疑問に残る。
通常あの子達は、完成した後必要最低限の知識を与えられ戦闘訓練に入る。
『名前』で識別されることはありえない。
なぜなら彼らは、『モノ』なのだから。
「私も殺す? 姉さん達みたいに。」
少女の言っている意味が分からず、呆然としているアリサ
「・・・君はまだ自我を持だっているのか?」
導き出されたひとつの答え。
「ええ、自分の意思で生きているわよ。持病もしっかり持ったままだけど。」
「だから、拘置所を襲撃しこの研究の第一人者であるスカリエッティを連れ出したと。」
「ええ、その通り。
後の二人は彼のお手伝い役でね・・・、もっとも一人は役立たずだったみたいだけど。」
呆れるように、只の塊になったものを眺める。
「彼が私の病気を治せるかどうかはまだ分からない。
たとえ、1%に満たない可能性だってそこに希望があるなら私はそれにかける。
だって私は、監視者に怯えることなく自由に生きたいんだもの。
決して最期まであきらめたりしない。」
「・・・・・・」
「だって私は、監視者に怯えることなく自由に生きたいんだもの。
文字通り爆弾抱えて生きていくなんてごめんよ。」
「ふっ」
「なにがおかしいの?」
突然、恭也が微笑を浮かべたことをレイはいぶかしむ。
「強いな君は、俺と違って『あきらめる』ということを知らない。
いや違うなあいつと一緒で『最期まであきらめるということを『しない』だな。」
そこまで言って、小太刀を鞘に納める。
「殺さないの?」
「ああ、危害を加えられたわけでもないし。生きていたいと願っているだけの君を殺すつもりはない。」
「甘いのね。そんなんじゃ、いつか死ぬわよ。」
「ご忠告ありがとう。甘さゆえに自分が死ぬのは自業自得だと思ってるよ。」
「但し」
恭也の身にまとう雰囲気が一変する
「俺の大切な人達を傷つけるなら、その時はたとえ誰であろうと容赦はしない。」
宣言と共に開放された殺気は、それだけで人を殺せそうなものだった。
事実、レイも微動だにできない。
そのまま、恭也はきびすを返しいまだ放心状態のアリサを抱えあげて去っていく。
その場に残されたのは、物言わぬ女。
脱獄者の一人『クアットロ』
彼女は自身の復讐のために単独でアリサを拉致監禁をしていたが、彼女の行動からスカリエッティの所在がバレ、自身の悲願達成の障害になると判断したレイによって破壊された。
2009-07-03 21:10