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舞台裏 [リリカルなのはss]

なのは達が去った後
応接室にひとりの女性が入ってきた

「相変わらず素直じゃないのね、あなた」

「私が素直だったら、気持ち悪い。」

女性はそれもそうねと苦笑する

「で、用件は?からかうためだけにきたわけではあるまい、レティ。」

「本丸が判明したわ。それと、彼から決行日の連絡も。」


一通りの連絡を終え、今は旧友としての話をしている。
「人にはそれぞれ役割ってものがあるだろうさ。あいつらは表で演じていればいい。裏の汚い仕事は私らだけで十分だ。」

「それにしてもあの子達にわざときつい言い方して、わざわざ嫌われるようにしなくても本当のことを話してもよかったんじゃないの。」

「それこそまさかだ、そんなことをしたら彼の今までやってきたことを全て無駄にしてしまう。
それだけはするわけにはいかない、私の我々武装9課隊員の立場と何よりも『心』を守ってくれた彼を裏切るわけにはいかない」

しばらく前に、局内の対抗勢力が制圧作戦を改謬して評議会に報告し9課を合法的に処分しようとした際、恭也が自ら申し出て課としての行動ではなく独断であるとして処分を受け、嘱託魔導師の資格を剥奪されたうえ禁錮刑を受けていた。
しかし、その後も裏でソニア、レティと共に連絡を取り研究施設を潰していた。
その流れで行った先の研究所で、口封じを行っていた本局の特務機動隊と鉢合わせになり、彼らに殺されかけていた女性職員を救出し無事撤退するも襲撃犯として追われることになってしまっている。

もともと恭也は9課の人間に彼女の保護を頼むつもりだったが、手違いで特務機動隊に発見されたため止む無くなのは達に保護を依頼したのである。結果は、かなり危ういものであったが最悪の事態には今の所陥っていない。



「そういえば、あの子は?」

「ああ、あの子なら安全の為にゲンヤのところに預けてある。
9課の天使を危険にさらすわけにはいかないからな。」

「今回の件、解決を急いだのもある意味あの子に無関係でもないんでしょ」

「まあね、あの子はホントできた子だよ。『父親の名前を汚さないように強くなるんだ』って毎日努力してる。生まれの特質上、魔導師としても戦闘員としても資質はずば抜けてるからね。」
「父親も、私もできたらこんなヤクザな仕事に就かせたくないんだが、現状だといつ管理局からスカウトという名の強制がかかる分からないし、何より本人が望むならその道を進ませてやりたいのも事実だから。」

「だからあの子の目の前にある障害物を取り除こうっていうことなのね。
ほんと、あなたたちは親バカね。いっそのこと彼と結婚して、本当の母親になったら?」

「ほっとけ、それより査察官にも宴会の連絡入れとけよ。」

「ええ」

《場所:時空管理局 本局 地下2階 特務機動隊執務室
 日時:7月7日 9時 》



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